【書評】「社会調査」のウソ/谷岡一郎【アンケート結果をすぐに信じるな】
紹介する本
みなさんおはようございます。カナデしゃちょーです。
今日紹介する本はこれです。
世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。では、なぜこのようなゴミが作られるのか。
それは、この国では社会調査についてのきちんとした方法論が認識されていないからだ。
いい加減なデータが大手を振ってまかり通る日本―デタラメ社会を脱却するために、我々は今こそゴミを見分ける目を養い、ゴミを作らないための方法論を学ぶ必要がある。
(巻頭より引用)
自分が読んだのは2年前、さらにこの本が発売されたのはなんと18年ほど前 。
でもこの本をきっかけに自分が親書を読むようになったんだよな。
それほど面白くて頭がよくなったような気がする本。
今回は書評というよりはまとめとなると思います。
まあ話が筆者の意見というよりは実情報告とかそういう類のことだからね。
どんな本?
巻頭からの引用では、社会調査を「ゴミ」と連呼しまっくているが、この「ゴミ」とされるのは、デタラメな社会調査、いわゆるアンケート結果や世論調査、ある指標などのことです。
この本の著者は谷岡一郎という方で、社会調査論や犯罪学、ギャンブル社会学の専門家です。
この本の中で谷岡氏は、実際に行われた社会調査を実名で批判しています。
しかしただやみくもに批判するだけでなく、どういう点が社会調査として不適切なのか、たとえばアンケート対象に偏りが生じているといったことなども説明しています。
この本の章立てごとに各章を簡単にまとめると…
第1章:「社会調査」はゴミがいっぱいー学者や政治家、社会運動グループなどが自分たちのために不適切な社会調査を行っている現状・実状を書く。
第2章:調査とマスコミーある社会調査が広く一般的に知れ渡るにはマスコミの力が必要だが、マスコミは間違った情報を流すべきではない。しかしマスコミまでもが不適切な社会調査を行い、またそれを広めているという実態を書く。
第3章:研究者と調査ーここでは研究者とは教授やそれを目指すものとされている。その研究者のシステムがゴミを生み出す要因であると述べられている。
第4章:さまざまな「バイアス(偏向)」ー社会調査の結果がどのようにして歪められ、調査者の都合の良いようにされるかが書かれている。
第5章:リサーチ・リテラシーのすすめーリサーチ・リテラシーとはいわゆるリサーチが本物かを見極める能力のことである。この能力が必要だと筆者は語る。
この中でも特に面白い第4章のバイアスにはどのようなものがあるかは次にまとめましょう。
社会調査をゆがめるバイアス(偏向)
本の内容をそのままここに書くと、自分が実際の社会調査を批判しているみたいになって、少し怖いので簡単な例にして書きますね。
人はうそをつく
例えば選挙前のアンケートで「近日の選挙にはいきますか?」と質問したところ、「絶対行く」と答える人が7割ほどいたが、実際の投票率は6割ちょっとだった。
「なるべく行く」と答える人2割ほどいたはずなのに、実際の投票率と合わない。
結果人はうそをつくものであるという前提を忘れてはいけないということである。
データ収集方法
少し昔の話だが、「支持する政党はどこか」という調査を電話で行っていた。しかし、当時電話は比較的裕福な家庭しかもっていなかったため、富裕層に有利な政策を掲げる政党の支持率が異常に高くなってしまった。
データの収集時期
納得しやすい最近の実例を挙げてみると、政治的無関心の話があげられそうです。「小池フィーバー」もしくは「大阪都構想」の時期に政治に興味があるかを当該地域で聞いたらいつもと違う調査結果になったでしょう。
誘導尋問
アンケート調査でアンケートの設問にあくどい誘導尋問を仕掛けることもあります。
例えば、「アベノミクスで日本の就業者数は増えました。ほかにも~。あなたは安倍首相を支持しますか?」などと書かれたら「支持する」と答える人は多いでしょう。
逆に、「アベノミクスと言っていますが、実際には労働者賃金はアベノミクス以降手負い化しており、~。あなたは安倍首相を支持しますか?」などときたら「支持しない」と答えるでしょう。
あとがき
バイアスの話がかみ砕いて上手く説明できませんでしたね。
頭では理解できるのにいざ説明となると難しい…
そういうことって多々ありますよね…
かみ砕いて説明できないとブログにする意味があまりないような…
今日はここまで!じゃあね!